棚や家具の表面に見えるビス頭を、木の風合いになじませたいときに頼りになるのが、埋木錐。
手元の端材から木栓を作って穴をふさげる、木工DIYの仕上げを支える道具ですよね♪
でも、いざ探してみると、「8mmと9mm、どちらを選べばいい?」とか、「皿取錐とは何が違うの?」と、サイズや使い方に迷ってしまう方も多いはず。
穴の大きさが合わなければ木栓が入らず、薄い板に深く穴をあけすぎると、ビスを支える部分を減らしてしまうことも。
そこでこの記事では、埋木錐のサイズの選び方と、木栓でビス頭を隠す手順を解説し、木栓づくりと切りそろえに役立つ道具を紹介します!
この記事を読めば、必要な道具をそろえて、端材で木栓仕上げを試す準備ができますよ♪
というわけでこの記事は、「埋木錐の使い方とサイズの選び方|木栓でビス頭を隠すコツ」について書きました。
この記事がおすすめな人
- 木栓を使って、家具や棚のビス頭を隠したい方
- 埋木錐と皿取錐のサイズの合わせ方を知りたい方
- 木目をそろえて、木栓を周囲の板になじませたい方
- 木栓づくりから切りそろえまでの手順を確認したい方
埋木錐と皿取錐は、作るものが違う
埋木錐は穴をふさぐ木栓を作り、皿取錐はビスの下穴や頭を沈める部分を加工する道具です。
「木栓を作る側」と「木栓を入れる穴を作る側」を分けると、そろえる道具を考えやすくなりますよ。
| 道具 | この作業での役割 | 選ぶときに確認すること |
|---|---|---|
| 埋木錐 | 端材から木栓を作る | 木栓の呼び径・対応する木材 |
| 皿取錐 | 下穴と、木栓を入れる部分を加工する | 下穴径・外錐の径・加工できる深さ |
| アサリなしノコギリ | 木栓の出っ張りを切る | 埋木の切断に対応する刃・柄の有無 |
ビス頭を板面と同じ高さに収める浅い皿取りと、木栓を入れるために頭を沈める加工は、仕上げの目的が別。
木栓を付ける場所は、ビスを締めたあとにも、その上へ木栓が収まる深さを残します。
皿取錐そのものの選び分けは、木工用皿取錐のおすすめと選び方でも紹介しています。
埋木錐のサイズと道具の選び方
木栓を入れる穴と、埋木錐の呼び径を合わせる
サイズ選びで最初に決めたいのが、木栓を入れる穴の大きさ。
ビス頭が収まる穴を選び、その加工工具に対応する径の埋木錐を組み合わせます。
スターエムのNo.58Sでは、皿取錐の外錐のサイズと、埋木錐のサイズをそろえる組み合わせです。
代表的な組み合わせを、下穴と木栓用の穴に分けると次のようになります。
| 皿取錐の表記 | 内錐(下穴) | 外錐(木栓用) | 埋木錐 |
|---|---|---|---|
| 3×8mm | 3mm | 8mm | 8mm |
| 3×9mm | 3mm | 9mm | 9mm |
| 3.5×10mm | 3.5mm | 10mm | 10mm |
たとえば、 スターエム 58S-S3090 は、皿取錐と9mmの埋木錐を組み合わせたセット。
「3×9」の3mmは下穴の径で、木栓の径ではありません。
8mm・9mm・10mmに優劣があるわけではなく、使うビスの頭と下穴、板の厚さから選ぶのが基本ですよ。
すでに穴がある場合は、穴加工に使った工具の型番や寸法も確かめ、同じ呼び径でも端材で入り具合を試しましょう。
板の厚さと、ビス頭の上に残る深さを確認する
木栓を入れるには、沈めたビス頭の上に、木栓を接着できる部分が必要です。
穴を深くするほどよいわけではなく、穴の底から板の裏側までに残る厚さも確認したいところ。
薄い板を深く削ると、ビス頭で押さえる部分を減らし、裏側へ抜ける原因になります。
- 先に確認:板の厚さ、ビス頭の形と大きさ、接合先の材料
- 穴あけ前に決める:頭を沈める量と、木栓が収まる深さ
- 最初の試し加工:本番と同じ厚さの端材で、穴・ビス・木栓を一組作る
埋木錐の「作れる木栓の最大長さ」は、すべての板へ同じ深さの穴をあける指示ではありません。
必要な厚さを残せない場所なら、ビスの位置を変えるか、木栓を使わない仕上げを選びましょう。
共木を使うか、色の違いを楽しむかで選ぶ
周囲の板になじませたいなら、本体と同じ木材の端材を使う「共木」が候補。
木栓の木目も周囲と同じ向きにすると、丸い輪郭が目立ちにくくなります。
反対に、色の違う木材で木栓を作って、丸い模様をアクセントにする仕上げ方もありますよ♪
同じ木材でも色や木目には差があるので、接着する前に、使いたい場所へ木栓の向きを合わせてみましょう。
市販の丸棒を切ってふさぐ方法もありますが、端面の木口と、埋木錐で板面から作る木栓では、表に出る木目が違います。
板の木目につなげたい場面では、端材の表面から木栓を取る埋木錐を選ぶ理由になりますよ。
電動工具の対応と回転数を合わせる
埋木錐は、手元の電動工具に取り付けられる軸か、指定された機種で使えるかを確認して選びます。
今回紹介するNo.58Sは、ドリルドライバとインパクトドライバが14.4V以上に対応し、電気ドリルでも使えるシリーズです。
回転数は3,000回転/分以下に合わせ、手元の工具で設定できるかも確かめましょう。
- 軸:工具側のチャックやビット保持部に対応する形と太さか
- 機種:埋木錐側が指定する電動工具・電圧に合うか
- 回転数:使う工具の設定が、埋木錐の指定範囲に収まるか
インパクトも対応機種ですが、打撃がかかりすぎると木栓が崩れる場合があります。
これから道具をそろえるなら、メーカーが木栓づくりに勧めているドリルドライバを軸に考えると選びやすくなりますよ。
仕上げ方と、あとでビスを外すかを決める
木栓を接着してビス頭をふさぐと、分解するときには木栓を取り除く作業が必要になります。
引っ越しや修理で外す予定がある家具なら、どこまでビス頭を隠すか、組み立て前に考えておきましょう。
隠す場所と、工具が届くように残す場所の使い分けも、家具づくりの大切な段取りです。
木栓仕上げを選ぶ場所は、出っ張りを切るノコギリと、表面を整えるサンドペーパーまで準備します。
穴をふさいでから刃が届かないことに気づかないよう、角や金具の近くでは、ノコギリを動かす場所も確かめておきたいですね。
接合方法から考え直したい方は、木材の接合方法と使い分けも参考にしてみてください。
木栓づくりと切りそろえにおすすめの道具
それでは、木栓づくりと切りそろえにおすすめの道具を紹介していきます。
穴と木栓の組み合わせをそろえるセットと、仕上げの切断を担当するノコギリを、作業に合わせて選んでみてください♪
スターエム 皿取錐&埋木錐セット 58S-S3090
1つ目の木栓仕上げにおすすめの道具は、木工ドリルメーカー・スターエムの「 皿取錐&埋木錐セット 58S-S3090 」です。
「穴を作る錐と、そこへ入れる木栓用の錐を一緒にそろえたい!」という方に向くセットですよ♪
皿取錐は下穴と木栓用の穴を加工でき、埋木錐は好きな端材から木栓を作れる組み合わせ。
それぞれを別々に選ぶより、穴と木栓の対応をそろえて準備できるのが魅力です。
セットには、3×9mmの皿取錐と、対応する埋木錐が入っています。
軸は6.35mmの六角軸で、対応する電動工具へ差し替えて使う方式。
木材や接着剤、電動工具本体まで付くセットではないため、手元の道具と合わせて準備しましょう。
9mmの穴が適するかはビスと板の厚さ次第なので、細いビスや薄い板にも一律に選ぶ必要はありません。
穴のサイズが決まっていて、皿取錐と埋木錐をこれからそろえる方に向く買い方です。
スターエムの「 皿取錐&埋木錐セット 58S-S3090 」は、穴と木栓のサイズを合わせて準備したい方におすすめな埋木錐セットです♪
ゼットソー ハンディ160 アサリなし 本体 15092
2つ目の木栓仕上げにおすすめの道具は、ゼットソーの「 ハンディ160 アサリなし 本体 15092 」です。
木栓を接着したあと、「飛び出た部分を板面に沿って切りそろえたい!」というときに候補になるノコギリですよ♪
特徴は、歯を左右へ振り分けるアサリがないこと。
埋木や凸部の切断に対応し、板面の近くで出っ張りを切る作業に役立ちます。
15092は柄の付いた本体で、替刃だけの15093とは別の商品です。
初めてそろえるなら柄付き本体、すでに持っている道具の刃を交換するなら、適合を確かめて替刃を選ぶ流れ。
アサリなしでも、刃をこじったり木くずを挟んだまま動かしたりすれば、周囲へ傷を付けるおそれがあります。
完成面へ一気に押し付けず、端材で刃の当て方を試してから使いましょう。
一般のノコギリ選びは、DIY向け手ノコのおすすめでも紹介しています。
ゼットソーの「 ハンディ160 アサリなし 本体 15092 」は、木栓の出っ張りを切りそろえたい方におすすめな仕上げ用ノコギリです♪
埋木錐の使い方|木栓でビス頭を隠す手順
作業は「木栓用の穴とビス留め→端材から木栓づくり→接着→切りそろえと研磨」の順で進めます。
筆者も、埋木錐で作った木栓を使い、ビス頭を隠す作業をしたことがあります。
本番の部材へ穴をあける前に、同じ材料の端材で一通り試しておくのがおすすめ♪
準備するものは次のとおりです。
- 加工用:対応する電動工具、皿取錐、埋木錐、ビス
- 木栓用:共木などの端材、木材に適した接着剤、当て木
- 仕上げ用:アサリなしノコギリ、サンドペーパー
- 固定・保護用:クランプやバイス、保護メガネ、研磨時の防じん対策
刃物を付け替えるときや、詰まった木くずを取り除くときは、バッテリーを外すか電源プラグを抜きます。
回転中の錐へ手を近づけず、軍手など巻き込まれるおそれのある手袋を着けて作業しないでください。
1.板を固定し、木栓用の穴とビス留めを行う
部材をクランプなどで動かないように固定し、木栓を入れる位置へ、皿取錐で下穴と埋め込み用の穴を加工します。
小さな部材を手に持ったまま穴あけすると、工具に引かれて材料ごと回るおそれがあります。
手で支える代わりに、作業台へ固定できる場所を作るところから始めましょう。
穴の深さは、ビス頭の上へ木栓が収まり、底に必要な板厚を残せる位置まで。
ビスを締めたら、木栓を入れる場所が残っているか、部材の接合に問題がないかを確認します。
木栓でふさいだあとには締め直しにくくなるため、ここで組み立てを確かめておきたいですね。
2.端材から木栓を作る
木栓用の端材も固定し、板の表面へ埋木錐をまっすぐ当てて、指定の回転数で加工します。
木目や色を合わせたい部分を選び、割れや節の近くを避けて試すのが出発点。
端材を貫通させず、木栓の根元を残して加工します。
押し込みすぎず、木くずを逃がしながら加工し、取り出せる長さの木栓を作りましょう。
木栓の長さは、ビス頭の上に収まる部分に加え、あとで切りそろえる出っ張りを残して決めます。
同じ木栓を何個も作る前に、試しの穴と一組にすると、材料を無駄にしにくくなりますよ。
3.回転を止め、木栓を取り出して向きを合わせる
工具を止めて外してから、木栓の周囲の溝へマイナスドライバなどを入れ、根元を折って取り出します。
回転している錐のそばへ、ドライバや指を差し込まないでください。
取り出した木栓は割れや欠けを確かめ、平らな面を穴の底へ向けて使うのが、スターエムの案内する方法です。
穴へ入れる側の角を軽くたたいて整え、木目を周囲へ合わせます。
接着前の確認は入口で軽く行い、外せなくなるまで深く押し込まないようにしましょう。
4.接着して、動かなくなるまで待つ
穴へ木材用の接着剤を入れ、向きを決めた木栓を、当て木などを使って少しずつ収めます。
ビス頭の溝へ接着剤を詰め込むより、木栓と穴の木部を接着することを意識しましょう。
表面へはみ出した接着剤は、使う製品の表示に従って処理します。
木栓が入ったらすぐ切らず、接着剤が次の加工に必要な状態になるまで待ちます。
乾燥の時間は製品や条件で変わるため、手元の接着剤の表示が基準です。
少量の木栓を付ける作業なら、必要な量や使用場所から、木工用ボンドの選び方も確認してみてください。
5.出っ張りを切り、サンドペーパーで整える
接着した木栓が動かなくなったら、アサリなしノコギリで出っ張りを切りそろえます。
刃の進む先へ手を置かず、無理に押し曲げたりこじったりせずに進めてください。
木栓の近くに金具や段差がある場合は、刃を動かせる範囲も確かめましょう。
切断後のわずかな出っ張りをサンドペーパーで整え、周囲だけを深く削らないように仕上げます。
木目や色、塗料の染み込み方によって木栓の輪郭は残るので、完全に見えなくすることだけを目標にしなくても大丈夫ですよ。
ペーパーの番手や当て方は、木材のやすりがけとサンドペーパーの使い分けを参考にしてみてください。
埋木錐でうまくいかないときの確認ポイント
木栓がボロボロになるときは?
スターエムのFAQでは、インパクトの打撃がかかりすぎることや、杉などのやわらかい木材で木栓が崩れる場合を挙げています。
加工中は錐を少し上下させる方法が案内されており、強く押し込むだけで解決しようとしないことが大切です。
同じ端材で崩れが続くなら、別の部分や別の端材で試し、きれいに取れる条件を探しましょう。
傷んだ刃や固定の緩みがある状態では続けず、工具の点検を先に行ってください。
木栓が入らない・すき間ができるときは?
まず確かめたいのは、穴を作った工具と埋木錐のサイズの対応。
下穴の径と外錐の径を取り違えていないか、斜めに加工して穴を広げていないかも確認します。
サイズが違う木栓を強くたたき込むと板を割るおそれがあるため、力で合わせないでください。
目立つすき間を接着剤だけで埋めようとせず、穴と木栓の組み合わせから見直しましょう。
ビスが効かない穴にも使える?
ビス頭を隠す木栓仕上げと、ビスが空回りする穴の補修は、目的が違います。
表面をふさいでも、ビスが材料を保持する力まで回復したとは判断できません。
先に接合を直したい場合は、木部のネジ穴補修の方法で、傷んだ場所や材料に合う方法を確認してください。
埋木錐の使い方とサイズの選び方:まとめ
この記事は「埋木錐の使い方とサイズの選び方|木栓でビス頭を隠すコツ」について書きました。
埋木錐は、木栓を入れる穴とのサイズ対応、板の厚さ、使う端材、電動工具の適合をチェックして選ぶのが大切なポイント。
穴と木栓用の錐をそろえたいなら、 スターエム 皿取錐&埋木錐セット 58S-S3090 のような対応セットが候補になります。
木栓を作る道具に加え、出っ張りを切るアサリなしノコギリと、表面を整えるペーパーまで準備しておきましょう。
今回ご紹介した選び方と手順を参考に、ぜひ作りたい家具に合う木栓仕上げを試してみてください♪
木の風合いを楽しみながら、自分らしいDIYライフを♪