テーブルや収納家具を、引っ越しや模様替えのときに分解できるようにしたい。
そんな家具づくりで役立つのが、木材にボルト用のねじ穴を設ける鬼目ナット。
部材をボルトでつなぎ、必要なときには外せるので、組み立て方の幅が広がりますよね♪
でも、いざ探してみると、「M6なら下穴も6mmでいい?」とか、「打ち込み式とねじ込み式はどう選ぶ?」と、取り付け前に迷ってしまう方も多いはず。
下穴や取付方式を間違えると、木が割れたり、ナットごと空回りしたりと、部材を加工し直すことも。
そこでこの記事では、鬼目ナットの使い方と選び方を、種類・下穴サイズ・板厚の合わせ方から解説し、取付方式の違う候補を紹介します!
この記事を読めば、使いたいボルトに合う金具と、穴あけ前に確かめるポイントが分かりますよ♪
というわけでこの記事は、「鬼目ナットの使い方と選び方|下穴サイズ・打ち込み式とねじ込み式の違い」について書きました。
この記事がおすすめな人
- 家具をボルトで組み立て、分解できる構造にしたい方
- 鬼目ナットのMサイズと下穴サイズの違いを知りたい方
- 打ち込み式・ねじ込み式と、ツバの有無で迷っている方
- ナットが抜ける・空回りする前に、加工条件を確かめたい方
鬼目ナットは、木材にボルト用のねじ穴を設ける金具
鬼目ナットの内側にはボルト用のねじがあり、外側の突起やねじ山で木材へ固定します。
木材を直接締める木ネジと違い、取り外すときは金属のナットからボルトを抜く構造。
筆者も、以前テーブルに鬼目ナットを使ったことがあります。
まずは、作りたい接合がどれに当たるか整理してみましょう♪
| 作りたい構造 | 候補になる接合 | 先に考えること |
|---|---|---|
| ボルトを外して部材を分けたい | 鬼目ナットと適合ボルト | 材質・板厚・金具の取付条件 |
| 木材同士を接着してつなぎたい | 木ダボと木工用接着剤 | 穴位置と接着する面 |
| 木ネジで部材を固定したい | 木ネジ・コーススレッド | 下穴とねじの入り方 |
| 棚板の高さを変えたい | 家具に適合する棚ダボ | 棚板の支え方と指定部品 |
木ダボの接合を知りたい方は、ダボ接合のやり方を参考にしてください。
部材のつなぎ方から考えたい場合は、木材の接合方法の比較も合わせて読むと、使う金具を選びやすくなります。
「鬼目」「鬼目ナット」はムラコシ精工の登録商標です。
似た形の木工用インサートナットを買う場合も、メーカーと型式をそろえて加工条件を確認しましょう。
鬼目ナットの選び方
選ぶ順番は、取付方式、ボルトのねじ、ツバと埋め込み深さ、木材の条件です。
使うボルトと取り付ける木材を先に決めると、必要な金具を絞りやすくなりますよ♪
打ち込み式とねじ込み式を、外側の形と取付工具で分ける
打ち込み式は、下穴へ当て木を添え、金槌などで挿入する方式。
ねじ込み式は、外周のねじ山を木材へ食い込ませながら、六角レンチなどで回して取り付けます。
使う工具が違うので、手元の金具の外側と取付部をセットで確認してください。
打ち込み式をレンチでねじ込もうとせず、ねじ込み式を金槌で押し込まないよう、方式に合う道具を選びましょう。
- 打ち込み式:外側の突起と、当て木を置ける作業スペース
- ねじ込み式:取付用の六角穴などの形と、指定工具のサイズ
- 交換用:家具側に残る金具の品番と、元の加工状態
既存家具の金具を交換するなら、新規製作の金具選びとは分けて考えます。
家具の品番と部品番号を調べ、同じ交換部品を入手できるかを先に確かめてください。
M6・M8は、内側に入れるボルトのねじで選ぶ
M6やM8は、内側へ締めるボルトのねじの呼びを示します。
木材へ入るナット本体の外径や、取付用六角レンチの二面幅とは別の項目です。
| 合わせるもの | 確認する表示 | 取り違えやすいもの |
|---|---|---|
| ナットとボルト | ねじの呼び・ピッチ | ナット本体の外径 |
| ナットと木材の穴 | 型式ごとの参考下穴径 | M6などの呼びだけ |
| ナットと取付工具 | 指定の六角二面幅など | 締結するボルトの工具 |
| ボルトの長さ | 相手部材の厚さ・ねじ込み量 | ナットの呼び長さだけ |
ボルトを手で入れた段階で引っ掛かるなら、ねじの種類とピッチを見直します。
工具で力を掛けてねじを作り直すような入れ方は避けてください。
部材を締める前に先端が穴の底へ当たると、ボルトを回しても部材が固定されません。
厚さと必要なねじ込み量を合わせ、仮組みで締まり方まで確かめましょう。
ツバの有無と長さは、接合面の収まりから決める
ツバは、ナットの口元から張り出した部分です。
ツバありは入り過ぎを抑える役割があり、ツバなしは目的に合わせて埋め込み深さを調整できます。
部材同士をぴったり重ねたい場所では、このツバの出っ張りが選ぶポイント。
- ツバあり:止まる位置と、接合面への出方を確認
- ツバなし:埋める深さと、ボルトが届く位置を確認
- 長さ違い:板厚、下穴の深さ、裏面に残る木材を確認
同じMサイズでも、長いナットが薄い板へ収まるとは限りません。
裏側へ突き抜けないことと、締結するボルトが適切にかかることを分けて確かめます。
下穴は木材の硬さと板厚も合わせて決める
参考下穴径には幅があるため、使う木材の硬さなども考慮して加工しましょう。
小さすぎる穴へ無理に入れると木材や金具を傷め、大きすぎる穴では外周が十分にかからないことがあります。
まず同じ材料の端材で、加工から締結まで試してみましょう♪
下穴の径に加え、深さと板厚、裏側に残す木材も寸法図に合わせて決めましょう。
木口や端に近い場所、傷んだ木材は、割れや固定状態にも気を配りたいところ。
板厚に加え、取り付ける位置と荷重のかかり方を合わせて検討しましょう。
使用場所と荷重、購入する個数を確認する
この記事で比べるムラコシの鬼目ナットは室内向けで、屋外や水気の多い場所では使いません。
天井吊りや壁付けの棚など、常に荷重がかかり続ける箇所での使用も想定されていません。
メーカーの用途制限を確認し、金具を足せばどんな場所も支えられる、と考えないようにしてください。
一定の耐荷重は設定されておらず、木材や穴加工など、金具以外の条件も強度へ関わります。
「M8なら何kg」とねじサイズだけで決めず、試作した接合部と家具全体の状態を確認しましょう。
購入時は型式・ねじサイズ・長さの順にそろえ、入数と注文数量を見比べます。
同じ型式でも、単品、数個入り、小箱では届く数が変わるので、商品代と送料をまとめて確認すると選びやすいですよ♪
鬼目ナットの下穴サイズは、型式ごとの表で確認
M6だから6mm、M8だから8mmの穴、という選び方ではなく、買う型式の参考下穴径を調べます。
以下はムラコシ精工の具体的な型式を比べた例です。
| 型式の例 | 取付方式 | 参考下穴径 | 取付用六角二面幅 |
|---|---|---|---|
| D-M6×L13 | ねじ込み・ツバあり | 8.7〜9.0mm | 6mm |
| E-M6×L13 | ねじ込み・ツバなし | 8.7〜9.0mm | 6mm |
| A-M6×L13 | 打ち込み・ツバなし | 8.6〜9.0mm | 六角ねじ込み式ではない |
| D-M8×L13 | ねじ込み・ツバあり | 11.0〜11.3mm | 8mm |
同じM6でも、型式が変わると参考範囲が変わる点に注目してください。
表の数値をすべてのインサートナットへ流用せず、商品ページやカタログの「参考下穴径」を、型式と長さまでそろえて読みます。
下穴用ドリルも「鬼目ナット用」という名前だけで合わせず、実際の刃径と対応する型式を確認しましょう。
穴の深さはナットの長さだけでなく、埋め込み位置やボルト先端の収まりも考えて決めます。
深さを一定に管理したい方は、ドリルストッパーの選び方も参考にしてください。
取付方式で比べたい鬼目ナット
それでは、取付方式とツバの有無で比べたい鬼目ナットを紹介していきます。
ここではM6×13の規格をそろえ、取り付け方と接合面の違いを比べましょう。
| 外観 | 商品名 | 向いている用途 | 選ぶポイント | 購入先 |
|---|---|---|---|---|
| | ムラコシ D-M6×L13 | ツバで取付位置を合わせる | ねじ込み式・指定工具6mm | |
| | ムラコシ E-M6×L13 | 埋め込み深さを調整する | ツバなし・接合面を照合 | |
| | ムラコシ A-M6×L13 | 当て木を使って打ち込む | 下穴と挿入方向を照合 |
ムラコシ精工 鬼目ナット D-M6×L13
ツバありのねじ込み式を比べるなら、ムラコシ精工の「 鬼目ナット D-M6×L13 」が候補です。
「ナットをどこまで入れるか、口元に目安がほしい」という方が選びたいタイプです。
特徴は、入り過ぎを抑えるツバがあること!
外周のテーパーねじを回して取り付け、口元のツバで挿入位置を合わせます。
参考下穴径は8.7〜9.0mmで、使う木材の端材で入り具合を試してから加工します。
取り付けには、六角二面幅6mmの工具を用意しましょう。
ツバが接合面へ出るため、部材同士をぴったり重ねたい場合は、厚みを含めた仮組みが必要です。
ムラコシ精工の「 鬼目ナット D-M6×L13 」は、ツバの位置を合わせて取り付けたい方におすすめなねじ込み式鬼目ナットです♪
ムラコシ精工 鬼目ナット E-M6×L13
ツバなしのねじ込み式なら、ムラコシ精工の「 鬼目ナット E-M6×L13 」です。
このタイプを選ぶ理由は、埋め込み深さを調整できること。
口元にツバがないので、板を重ねる面に合わせて取り付け位置を決められますよ♪
参考下穴径は8.7〜9.0mmで、下穴を加工してからねじ込むタイプです。
取付工具の六角二面幅は6mmです。
埋め込み位置を深くするほど、ボルトの届く長さと裏側に残る木材への配慮が必要になります。
交換用を買う場合も、ツバありのDタイプとは区別し、元の型式に合わせて選んでください。
ムラコシ精工の「 鬼目ナット E-M6×L13 」は、埋め込み深さと接合面の収まりを合わせたい方におすすめなツバなし鬼目ナットです♪
ムラコシ精工 鬼目ナット A-M6×L13
打ち込み式の候補は、ムラコシ精工の「 鬼目ナット A-M6×L13 」です。
当て木と金槌を使って取り付ける、ツバなしの打ち込み式です。
外周のノコ歯状の突起が木部へ食い込み、ボルト用のねじ穴を固定する構造。
先端には、下穴へ入れる向きを案内するテーパーが付いています。
参考下穴径は8.6〜9.0mmで、同じ木材の端材で試してから本番の穴を加工します。
金具を下穴にまっすぐ合わせ、当て木を添えて挿入してください。
金槌を動かすスペースが必要なので、組み立て済み家具の狭い場所では作業できるかを先に確かめます。
部材の裏側を安定して支えられる場所で、当て木を使って取り付けましょう。
ムラコシ精工の「 鬼目ナット A-M6×L13 」は、当て木を使って打ち込む構造を選びたい方におすすめな打ち込み式鬼目ナットです♪
鬼目ナットの使い方と取り付け前の準備
型式が決まったら、端材で試す、下穴をあける、方式に合わせて入れる、ボルトで仮組みする、の順に進めます。
最初から本番の家具を加工せず、使う材料と工具で収まりを確かめると、手戻りを減らせますよ♪
端材で試し、穴の位置と深さを決める
本番と同じ材質・厚さの端材を用意し、指定された参考下穴径を基準に試作します。
ナットの入れやすさだけでなく、ボルトを締めたときに部材が安定するかも確認してください。
穴位置は相手の部材と合わせ、必要な深さと裏側に残す厚さを先に決めましょう。
- 型式・ねじの呼び・長さを、購入品と図面で照合
- 木材の状態と加工する位置を確認
- 相手部材の穴位置と、ボルトの長さを確認
- 下穴の径・深さと、工具の対応範囲を確認
材料を固定してから穴をあけ、金具を斜めに入れないための基準を作ります。
穴あけの姿勢やガイドを整えたい方は、木材へ垂直に穴をあける方法を合わせて確認してください。
ねじ込み式は、指定工具で軸を合わせて回す
六角穴へ合うサイズの工具を奥まで差し込み、下穴に対して軸を合わせて回します。
入り始めから斜めなら、力を増やす前に穴と金具の向きを確かめましょう。
抵抗が急に大きくなる、木材が割れる、六角穴が傷むといった変化が出たら作業を止めます。
取付用六角穴の工具サイズと、締結するボルト頭の工具サイズは別々の確認が必要です。
工具を用意する際は、六角レンチの選び方も参考にすると、二面幅と作業スペースを整理できます。
打ち込み式は、当て木を使って挿入する
打ち込み式では、必ず当て木を使い、部材を安定して支えて挿入してください。
工具と挿入方法は、型式ごとの手順に合わせましょう。
取り付け後はボルトのねじを手で確かめ、金具の位置と相手部材の収まりを見ながら仮組みしましょう。
鬼目ナットが抜ける・空回りするときの確認
「空回り」は、ナットが木材の中で回る場合と、ボルトだけが締まらない場合で確認する場所が変わります。
いったん荷重を外し、どの部分が動いているかを切り分けてください。
| 起きていること | 先に確認するところ | 次の判断 |
|---|---|---|
| ナットごと回る | 下穴の広がり・木部の割れ・外周のかかり | 木材と金具の状態から交換・構造変更を検討 |
| ボルトだけ締まらない | ねじの呼び・ピッチ・傷み | 適合するボルトと金具を照合 |
| 締めても部材が浮く | ボルト先端の底当たり・ツバ・接合面 | 長さと部材の収まりを見直す |
| ナットが抜けた | 周囲の欠け・材質・荷重方向 | 使用を止め、補修方法を確認 |
ボンドを足すだけで元の強度へ戻ると判断せず、木部の状態と使う金具の施工条件を確かめます。
取り付けた家具の部品が抜けた場合は、家具メーカーや修理店へ、金具と穴の写真、家具の品番を伝えて相談してください。
木ネジが直接木材へかかる穴の補修は、木部のネジ穴補修ガイドで扱っています。
鬼目ナットの穴へ同じ補修をそのまま当てはめず、金具で受ける構造として判断しましょう。
鬼目ナットの使い方と選び方:まとめ
この記事は「鬼目ナットの使い方と選び方|下穴サイズ・打ち込み式とねじ込み式の違い」について書きました。
鬼目ナットは、取付方式・ボルトのねじ・ツバと長さ・下穴・木材の条件を合わせて選ぶのが大切なポイント。
ツバありで取付位置を合わせるなら Dタイプ 、埋め込み位置を調整するなら Eタイプ 、当て木で打ち込む構造なら Aタイプ という違いから比べられます。
迷ったら、使うボルトと木材の条件を決めてから、型式ごとの寸法図で下穴を確認しましょう。
今回の選び方と取り付け前の確認を参考に、あなたの家具づくりに合う鬼目ナットを選んでみてください♪
準備をそろえて、納得できる木工DIYを♪