棚板の角を丸めたり、木材に溝を作ったりするときに候補になるのが、トリマーやルーター。
ビットを替えて木材を削る工具ですが、本体の大きさや取り付けられる刃、深さの調整方法には違いがあります。
でも、いざ探してみると「棚や小物を作るなら、どっちがいい?」「トリマーで始めて、後からルーターも必要になる?」と迷いますよね。
本体の力だけで選ぶと、小さな材料の上でベースを支えにくかったり、使いたいビットの軸が取り付けられなかったりすることも。
そこでこの記事では、トリマーとルーターの違いを、面取り・溝加工・ビットの適合・取り回しから解説します。
購入候補として、筆者が使っている 京セラMTR-42 と、両側ハンドル付きルーターの マキタRP1801 も紹介します。
この記事を読めば、作りたいものに合わせて、最初の1台と一緒に用意する道具を選べますよ♪
というわけでこの記事は、「トリマーとルーターの違いは?木工DIYで最初に買う1台の選び方」について書きました。
この記事がおすすめな人
- 棚板や木工小物の角をそろえて仕上げたい方
- 溝加工を始めるために、トリマーとルーターで迷っている方
- 本体とビットをまとめて選び、買い間違いを防ぎたい方
先に結論:面取りや軽い溝加工から始めるなら、トリマーを検討しよう
棚板の縁を丸める、小物の角を整える、浅い溝を作るといった木工DIYなら、まず小型トリマーを候補にしましょう。
コンパクトな本体を材料の縁に沿わせて使えるため、仕上げの加工から始めたい方に向く工具です。
大きな刃や太い軸のビットを使いたい方は、対応するルーターまで候補を広げると選びやすくなりますよ♪
| やりたい作業 | 先に検討する工具 | 選ぶときの確認点 |
|---|---|---|
| 棚板や小物の角を丸める | 小型トリマー | 面取りビットの適合、ベースの支持 |
| 細い・浅い溝を作る | トリマーから検討 | 溝幅・深さ、ガイドと材料固定 |
| 大きな刃や太い軸のビットで加工する | 対応するルーター | 軸径、許容刃径、回転数 |
| 材料の途中から掘り下げる | プランジ式のルーターなど | 上下に動くベース、刃の用途、治具 |
工具名だけで決めず、最後は機種とビットの組み合わせを確認してください。
上下に動かすベースの有無まで、機種ごとに確認しましょう。
今の目的が棚板の面取りなら、その加工に必要な工具と刃をそろえるところから始めるのがおすすめです。
筆者はMTR-42を、棚板や小物の面取り・軽い溝加工に使っている
筆者が木工で使っているトリマーは、 京セラMTR-42 です。
棚板や木工小物の角を整えたり、ストレートビットで軽い溝加工をしたりするときに使っています。
縁の形をそろえたい作業で、トリマーと用途に合ったビットの組み合わせが役立っています♪
一方、筆者はルーターを使ったことがありません。
ここでのルーター比較は、対応ビットや深さ調整などの仕様の違いであり、両工具を同じ材料で使った性能比較ではありません。
MTR-42の使用感や調整方法を詳しく知りたい方は、面取り・溝加工で使ったMTR-42の実機レビューも参考にしてください。
トリマーとルーターの違いを、5つのポイントから比べる
加工したい形:軽い縁加工か、大きな刃を使う加工か
まず決めたいのは、完成させたい木材の形です。
角を小さく丸めるのか、一定幅の溝を作るのかで、用意するビットとガイドが変わります。
小さな丸面や面取りは小型トリマーから検討し、大きな形を削るときは刃と工具の対応範囲まで確認しましょう。
トリマーもルーターも、ビットを使って木材を削る点は共通しています。
「トリマーは面取り専用」「ルーターならどんな溝でも一度に掘れる」と決めつけず、加工寸法と取り付け条件を合わせるのが基本です。
例えば棚板の角を少し丸めたいなら、丸める半径と材料の厚さを見て、丸面ビットを選びます。
棚の背板を差し込む溝なら、背板の厚さに合う幅と、必要な溝の深さを決めてから刃を選んでください。
ビット選びの順番は、6mm軸トリマービットの種類と選び方で詳しく紹介しています。
ビットの軸径:刃の幅と、工具に差し込む太さを分ける
商品ページの「6mm」が、軸の太さか削る幅かを最初に確認しましょう。
軸径は工具がビットを保持する部分の太さで、刃径は実際に削る刃の大きさです。
トリマー用のビットを買うときは、商品名だけでなく寸法図や仕様欄の「軸径」を確認してください。
軸を締めるコレットチャックのサイズと合わなければ、正しく固定できません。
MTR-42は標準で6mm軸に対応し、1/4インチのビットには別売の対応コレットチャックが必要です。
| ビットの軸径 | MTR-42で使うとき |
|---|---|
| 6mm | 標準のコレットチャックに対応 |
| 1/4インチ(6.35mm) | 別売の対応コレットチャックへ交換 |
ルーターでも、太い軸に対応するチャックへ細い軸を入れる場合は、機種指定のスリーブなどを使います。
軸が入ることに加えて、刃径・回転数・用途まで工具とビットの説明書で照合しましょう。
深さ調整:固定した深さで進めるか、上下に動かして入るか
小型トリマーでは、ベースからビットをどれだけ出すかを調整し、固定した深さで材料へ沿わせる機種が多くあります。
MTR-42も調節リングで深さを合わせ、クランプレバーで本体を固定する仕組みです。
プランジ式ルーターは、ベースを材料へ載せたまま本体を上下させ、ビットを下げる構造です。
材料の途中から溝やくぼみを作りたい方は、こうした入り方に対応するベースと刃を確認すると選びやすくなります。
ただし、上下に動く量と、一度に削れる深さは別です。
- 昇降範囲:本体を上下へ動かせる範囲
- 切込み深さ:材料へ刃を入れる設定量
- 刃の対応:刃長・刃径・材質・回転数などの使用条件
深い溝は機種の説明書に沿って切込みを分け、刃と材料に無理な負荷をかけないように加工してください。
同じ形の溝でも、材料の端から入るか、途中から入るかで必要な準備が変わります。
本体とベース:持ちやすさに加えて、材料の上で支えられるか
工具を選ぶときは、本体の重さとベースを置く面積を一緒に考えましょう。
小型トリマーは収納や持ち替えをしやすいサイズですが、加工中は回転する刃の反力があります。
片手で持てる大きさと、片手だけで安全に加工できることは分けて考えてください。
両手で安定させる持ち方を確認し、ベースが材料へしっかり当たる状態で進めるのが基本です。
両側にハンドルを備えたルーターは、ハンドルを握って本体を支える構造です。
本体が大きい機種では、小さな部材の加工や収納を考えると、治具・作業台・置き場所まで見込む必要があります。
重さだけを比べるより、作る部材の上でベースが傾かずに支えられるかを優先しましょう。
購入予算:本体より先に、加工形状とビットを決める
予算を組むときは、本体価格にビット・ガイド・固定具を加えて考えるのがおすすめ。
ストレートビット付きの本体でも、角を丸めるには丸面用の刃が必要になるなど、付属の刃でできる作業は決まっています。
完成させたい形から刃を選び、その刃に対応する工具へ候補を絞ると、買い足すものを整理できます。
「安いセットを買えば何でもできる」より、よく使う形の刃とガイドをそろえる方が、用途を決めやすいですよ♪
- ビット:軸径、刃の形、必要な加工寸法
- ガイド:直線の溝、縁に沿う加工、型に沿う加工への対応
- 固定具:材料と補助材を安定させるクランプなど
- 集じん:工具側の接続部品と、ホースの対応
筆者もMTR-42を使うと木くずが出やすいと感じています。
集じん機へつなぐ場合は、対応アダプターやホースまで購入前に確認してください。
粉じんへの準備は、木工用集じん機の選び方も参考になります。
トリマーとルーターの購入候補を、用途から選ぶ
それでは、面取り・軽い溝加工向けのトリマーと、太い軸に対応するルーターの候補を紹介していきます。
京セラMTR-42:棚板や小物の仕上げから始める方へ
棚板の面取りや軽い溝加工から始めるなら、候補にしたいのが 京セラMTR-42 です。
筆者も棚板や木工小物の加工に使っており、縁の形をそろえる作業を始めたい方に紹介しやすい1台ですよ♪
消費電力は400Wで、家庭用100Vの電源につないで使うコード式の機種です。
質量は1.1kgなので、持ち替えや収納を考えるときも、この重さを目安にできます。
標準の取付ビット軸径は6mmなので、よく使う面取り用やストレート形状の刃を、この軸径から選びましょう。
深さはネジ式の調節リングで合わせ、ワンタッチクランプで固定します。
設定した深さで試し切りをし、削り過ぎない位置を決めてから完成材へ進む使い方です。
付属品も、始めたい加工に合わせて確認しましょう。
- 加工用:6mmの超硬ストレートビット、ストレートガイド
- 交換・調整用:スパナ、六角棒レンチ
丸面や飾り面取りをしたい方は、用途に合うビットを別に用意してください。
工具本体が小さくても、長い縁を削るには材料を固定できる作業場所が必要です。
コードの経路も含めて準備できるなら、 MTR-42 は、棚板や小物の仕上げを増やしたい方におすすめなトリマーです♪
充電式や速度調整付きの機種も比較したい方は、電動トリマーのおすすめと選び方で候補を広げてみてください。
マキタRP1801:12mm軸の刃や、上下に動く本体が必要な方へ
太い軸のビットとプランジ式の構造を選びたい方には、 マキタRP1801 が候補になります。
両側のハンドルと本体の昇降機構を備え、刃を下げる深さを設定して加工するルーターです。
チャック孔径は12mmで、太い軸のビットに対応する仕様です。
6mm・8mm軸には、付属のコレットスリーブを取り付けて使います。
消費電力は1,430W、質量は6.0kgなので、本体の支持と置き場所まで考えて選びたい大きさです。
MTR-42より大きな電力を使う仕様ですが、これだけで加工の速さや切り口の差を決めることはできません。
使う刃、切込み、材料の条件を合わせて考えましょう。
本体の昇降範囲は0〜70mmで、深さを段階的に設定するストッパブロックも備えています。
この70mmは上下に動く範囲であり、一度に70mm削れるという意味ではありません。
回転数は22,000min-1の固定式なので、回転数を変えて使いたい方は、その機能がある別機種を選んでください。
標準でストレートビット12mm、ストレートガイド、テンプレットガイド16などが付属し、集じん用ダストノズルは別売です。
棚板の軽い面取りが中心なら、まず小型トリマーで用途を満たせるかを確認しましょう。
RP1801 は、12mm軸のビットやプランジ式の深さ設定を必要とし、作業台と材料の支持を準備できる方に向くルーターです。
購入前によくある疑問
トリマーとルーターはどっち?初心者が選ぶときの目安
作りたい加工がルーターの仕様を必要とし、固定・支持・操作の準備ができるなら候補にできます。
ただ、最初の目的が小さな丸面や軽い溝加工なら、小型トリマーと用途に合うビットから選ぶ方が、用意するものを絞りやすいですよ♪
大きな工具を買うこと自体を上達の近道にせず、端材で試す作業と安定した固定を先に整えましょう。
6mm軸のトリマービットは、ルーターでも使えますか?
ルーター側が6mm軸に対応し、必要なスリーブなどをそろえ、ビットの刃径や回転数の条件も満たす場合に使えます。
「ルーター用」「トリマー用」という販売名より、具体的な軸径と対応条件を見て選んでください。
先端の形が似ていても、6mmと1/4インチは別の軸径です。
手持ちの工具に合わない軸を、無理に押し込んだり、緩い状態で締めたりしないでください。
トリマーだけで、深い溝まで作れますか?
必要な深さと刃の長さ、工具の調整範囲、材料の固定方法を合わせて判断します。
小型トリマーでも溝加工はできますが、深く削るほど負荷が増えるので、機種の説明書に沿って切込みを分けてください。
材料の途中から掘り下げる必要があるなら、上下に動くベースと、その入り方に対応するビットまで検討しましょう。
加工を始める前に、何を準備しますか?
材料をクランプなどで固定し、ベースとガイドを安定して当てられる状態を作ります。
ビット交換や調整では電源プラグを抜き、軸の固定と刃の状態を確認してください。
- 材料:釘などの異物、節、割れの確認
- 工具:ビットの固定、指定された送り方向、コードの経路
- 保護具:保護メガネと、粉じん・騒音に応じた対策
回転部に巻き込まれるおそれがある軍手などは着用せず、始動時は刃を材料から離し、停止後も完全に回転が止まるまで待ちます。
外周の面取りと溝加工では送り方の確認点が変わるため、自己流の方向に送らず、機種の説明書の図で確認しましょう。
トリマーとルーターの違い・選び方:まとめ
この記事は「トリマーとルーターの違いは?木工DIYで最初に買う1台の選び方」について書きました。
最初に決めたいのは、加工したい形と、それに使うビットです。
棚板や小物の面取り・軽い溝加工から始めるなら、小型トリマーを候補にしましょう。
太い軸の刃やプランジ式の構造が必要な加工では、対応するルーターまで比較すると選びやすくなります♪
筆者がMTR-42で行っているのも、棚板や小物の角を整える作業と軽い溝加工です。
工具本体だけでなく、ガイド・材料固定・木くずへの対策も一緒に準備してください。
まず作りたいものを1つ決めて、木工の仕上げを楽しみましょう♪
参考にしたメーカー資料
- 京セラMTR-42の製品カタログ:用途、軸径、質量、付属品。
- 京セラMTR-42の取扱説明書:ビットの装着、深さ調整、送り方向、集じん部品。
- 京セラ1/4インチ用コレットチャックの案内:6mm軸と6.35mm軸の対応。
- マキタRP1801/RP2301FCの取扱説明書:RP1801の仕様、軸径ごとのスリーブ、深さ設定、標準付属品、安全上の注意。