棚板や木工小物に、細い溝を作りたいときに役立つのがトリマー。
木材の表面を部分的に削れるので、板をはめる溝や、形を整える加工にも使える工具ですよね♪
でも、いざ溝を掘ろうとすると、「どのビットを使えばいい?」「ガイドはどこへ固定する?」「一度で深く削っても大丈夫?」と、準備で迷う方も多いはず。
刃の幅やガイドの位置が合っていないと、作りたかった溝からずれてしまうことも。
そこでこの記事では、トリマーで溝を掘る方法を、ビット選び・ガイドの準備・深さ調整・加工の順に解説します!
この記事を読めば、木材に直線の溝を作るための準備と、少しずつ削る進め方が分かりますよ。
というわけでこの記事は、「トリマーで溝を掘る方法!ビット・深さ・ガイドの選び方と加工のコツ」について書きました。
この記事がおすすめな人
- トリマーで木材にまっすぐな溝を掘りたい方
- 溝掘りに使うビットとガイドの選び方を知りたい方
- 深さの調整や、削りすぎを防ぐ手順を確認したい方
トリマーで溝を掘る前に決めること
最初に決めたいのは、溝の幅・深さ・位置。
板をはめるなら相手の板厚を測り、装飾の溝なら残したい木材の厚みも考えておきましょう。
寸法だけでなく、溝を材料の端まで通すか、途中で止めるかによっても進め方が変わりますよ♪
| 決めること | 加工前の確認点 |
|---|---|
| 溝の幅 | はめる板の厚みと、ビットの刃径 |
| 溝の深さ | 残る板厚と、使用機種・ビットで加工できる範囲 |
| 溝の位置 | 材料の端からの距離と、ガイドを固定できる場所 |
| 溝の始点と終点 | 端から入れるか、材料の内側から始めるか |
初めてなら、端から入れる直線の溝で試す
この記事で紹介するのは、材料の端から刃を入れ、直線に沿って掘る基本の手順です。
最初は同じ種類の端材を用意すると、削れ方やガイドの位置を本番前に確かめられます。
材料の途中から始まる溝は、刃を木材へ入れる方法や治具の構成を別に考える必要があります。
固定ベースのトリマーを自己判断で真上から押し込まず、その加工に対応する工具・治具とメーカーの手順を確認してください。
インパクトドライバーの穴あけとは加工方法が違う
溝掘り用ビットは、対応するトリマーやルーターへ取り付けて使うもの。
軸が入りそうでも、インパクトドライバーへ付けて横に削る使い方は避けましょう。
取り付け径に加え、ビットが対応する工具と回転数の条件を確認することが大切です。
トリマーとルーターの用途の違いは、小さな加工と大きな加工で工具を選ぶポイントでも紹介しています。
溝掘りに使うビットは、軸径と刃径を分けて選ぶ
底が平らな直線の溝では、ストレートビットが候補になります。
ここで間違えやすいのが、本体へ差し込む軸の太さと、木材を削る刃の太さ!
「6mm軸」と書かれていても、掘れる溝の幅がすべて6mmという意味ではありません。
軸径は本体への取り付け、刃径は溝の幅
軸径は、トリマーのコレットチャックに合うかを判断する寸法です。
刃径は切削する部分の直径で、直線を1本通すときの溝幅を考える目安になります。
| ビットの表示 | 何を確認する寸法? |
|---|---|
| 軸径 | 本体の対応コレットへ取り付けられるか |
| 刃径 | 作りたい溝幅に合うか |
| 刃長 | 加工したい深さと、ビットの使用条件に合うか |
| 対応回転数・用途 | 使用機種と木材加工に対応するか |
ビットを取り付ける前に、曲がり・欠け・ひびがないかも確認しましょう。
見た目が似ている6mm軸と1/4インチ軸は、同じ径として扱えません。
セットに複数の形が入っていても、今回作りたい溝の形に合うビットを選んでください。
面取り用や飾り加工用の刃を、平底の溝掘り用と同じものとして選ばないようにしましょう。
はめ込む溝は、板の厚みを測ってから幅を決める
板の呼び寸法だけで溝幅を決めると、実際にはめたときの収まりが変わることがあります。
相手の板を測ったうえで、端材に作った溝へ実際にはめて確かめると判断しやすくなりますよ。
刃径より幅広い溝を作る場合は、ガイド位置を変える工程も必要です。
初めての作業では、幅を広げる順番まで端材で試し、残す側の縁を削りすぎないようにしてください。
ビットの種類を先に比較したい方は、6mm軸トリマービットの用途別の選び方を参考にしてみてくださいね。
トリマーのガイドと治具を用意する
まっすぐな溝を掘るときは、手の感覚だけで方向を保とうとせず、ガイドへ沿わせて動かします。
大切なのは、材料とガイドがどちらも動かず、ベースを安定して載せられること。
細い材料や小さな木片ではベースを十分に支えられないこともあるため、固定方法から見直しましょう。
材料の端に沿う溝は、ストレートガイドを検討する
本体へ取り付けるストレートガイドは、材料の端にガイド面を当てて位置を保つための部品です。
材料の端から一定の距離に溝を掘りたいときに、候補になりますよ♪
ガイド面が追う木材の端に凹凸があると、動かす位置にも影響します。
取り付けねじを締め、刃の通る位置を端材で確認してから本番へ進みましょう。
ガイドの調整範囲を超える位置には、別の案内方法が必要です。
板の中央は、直線の案内板へベースを沿わせる
板の中央付近では、まっすぐな案内板をクランプで固定し、ベースの同じ面を沿わせる方法もあります。
案内板は溝の線そのものへ置くのではなく、刃の中心とベースの当たる面との距離を考えて配置してください。
トリマーを電源から外した状態で位置を合わせ、試し掘りしてずれを確かめると調整しやすいです。
ベースのどの面を当てるかを途中で変えると、溝の位置が変わる場合があります。
MTR-42の説明書では、ベースの同じ面を沿わせるよう案内されています。
途中で当てる面を変えないようにしましょう。
クランプは、工具とコードの通り道を避ける
材料を固定したら、電源を外したまま工具を始点から終点まで動かし、ベースがクランプへ当たらないか確認します。
コードが刃の側へ回り込まないか、加工の終わりまで工具を支えられるかも見ておきましょう。
ガイドだけを固定して終わらず、削られる材料自体も確実に保持してください。
手で押さえながら片手で削る方法は避け、工具に合う作業台と固定方法を用意することが大切です。
固定具の選び方は、木工用クランプを形と開口幅で選ぶ方法でまとめています。
トリマーで溝を掘る手順
準備ができたら、浅い試し掘りから始めましょう。
最初から仕上がりの深さまで削ろうとせず、幅・位置・削れ方を確認してから段階的に進めます。
| 順番 | やること |
|---|---|
| 1 | 電源を外し、ビットと浅い切込みを設定 |
| 2 | 材料・ガイドを固定し、通り道を確認 |
| 3 | 刃を木材から離して起動し、回転が安定してから加工 |
| 4 | ガイドへ沿わせ、ベースを浮かせずに送る |
| 5 | 刃を木材から離し、停止後に幅と深さを確認 |
| 6 | 電源を外して調整し、必要に応じて次の深さへ |
ビットを取り付け、切込みを浅く設定する
ビットの取り付けや深さ調整は、スイッチを切って電源プラグを抜いてから行います。
軸の差し込み位置と締め付け方法は使用機種の説明書に従い、確実に固定してください。
ベースの底から出る刃の長さが、切込み深さを考える基準です。
MTR-42には目盛ダイヤルがありますが、表示だけで仕上がりを決めず、刃の出方と試し掘りした溝を測って確認しましょう。
目盛の動きと、木材へ実際に掘れた深さを分けて確かめると、削りすぎを防ぎやすくなりますよ♪
回転が安定してから、材料の端へ入れる
保護メガネや防じんマスクを着用し、周囲に人や障害物がないことを確認します。
刃が木材へ触れていない状態で起動し、回転が安定してから端へ入れましょう。
動かす間はベースを材料へ安定して載せ、途中で傾けたり浮かせたりしないことが大切です。
ガイドへ強く押し付けて無理に進めるより、当たる面を保ちながら一定の動きで送ってください。
送り方向は、使用機種の説明書の図で確認する
送り方向は、刃の回転とガイドの位置に関わるポイント。
外周を削る説明の「反時計回り」だけを覚えて、直線の溝へそのまま当てはめないようにしましょう。
MTR-42の説明書では、ストレートガイドなどを使うときは、進行方向に向かってガイドを右側へ取り付けるよう案内されています。
別の機種や治具を使う場合も、その組み合わせで指定された送り方向を確認してください。
「どの配置でも左から右」と一律に決めると、向きを取り違える原因になります。
一度止めて深さを測り、必要なら次の段階へ
端まで削ったら刃を木材から離してスイッチを切り、回転が完全に止まってから工具を置きます。
電源プラグを抜き、溝の位置・幅・深さを確かめましょう。
さらに深くしたい場合は、電源を外したまま切込みを調整し、固定を確認して次の加工へ進みます。
1回で削る量は木材・刃径・機種で変わるため、すべての組み合わせに同じ深さを当てはめないでください。
曲がり・焦げ・削りすぎが気になるときの確認点
溝が思いどおりにならないときは、力を増やす前にいったん止めましょう。
材料の固定、ガイドの位置、切込み、送り方を順に見直すと、原因を絞りやすくなります。
溝が曲がる・幅が変わるなら、ガイドとベースを確認
途中でガイドが動いたり、ベースが案内面から離れたりすると、刃の通り道も変わります。
クランプの緩みだけでなく、ガイドへ沿わせる面が途中で変わっていないか確認してください。
溝幅を広げるために2本目を通すときも、残したい縁を基準に位置を合わせましょう。
すでに広がった溝は元の幅へ戻せないため、端材で試してから本番の位置を動かすことが大切です。
焦げる・削りにくいなら、切込みと送り方を見直す
ゆっくり進めれば必ずきれいになる、というわけではありません。
同じ場所へ長く当てると焦げが出る場合があり、速すぎる送りも荒れや工具への負担につながります。
切込みを減らして試すほか、刃先の傷みや木くずの付着も停止後に確認してください。
異音や強い振動が出た場合は作業を中断し、取り付けとビットの状態を説明書に沿って点検しましょう。
加工直後のビットは熱くなるため、すぐに触らないようにしてください。
仕上がりが毛羽立つなら、刃と木材の状態も見る
切り口の荒れ方は、刃の状態だけでなく、木材の種類や木目にも左右されます。
ヒノキ・杉・合板で同じ送り方を続けるより、その材料の端材で削れ方を確かめるのがおすすめです。
合板では表面材を欠かないよう、刃の用途と状態を確認し、負荷の大きな削り方を避けましょう。
仕上げに溝の縁を軽く整える場合も、はめ込みに使う寸法まで広げないよう注意してください。
筆者が軽い溝加工に使っている京セラMTR-42
筆者が棚板や木工小物の面取り、軽い溝加工に使っているのは、京セラの「 MTR-42 」です。
6mm軸のビットを使うコード式で、作業台のまわりに電源を用意して加工しています。
使うと木くずが出やすいので、加工する前に保護具と片付け方も用意しておきたいところ。
工具を買うときは本体だけでなく、作りたい溝に合うビットと、材料を固定するクランプまで合わせて考えましょう。
詳しい使い勝手と購入前の確認点は、京セラMTR-42の実機レビューにまとめています。
「 MTR-42 」は、作業台で面取りや軽い溝加工を始めたい方の候補になるコード式トリマーですよ♪
トリマーで溝を掘る方法まとめ
この記事は「トリマーで溝を掘る方法!ビット・深さ・ガイドの選び方と加工のコツ」について書きました。
最初に決めたいのは溝の幅・位置・深さで、軸径と刃径を分けてビットを選ぶことが大切です。
材料とガイドを固定したら、同じ種類の端材で試し、浅く削って停止・確認する流れで進めましょう。
本体選びから考えたい方は、木工DIY向けトリマーの選び方とおすすめモデルも参考にしてみてください。
用途に合うビットと安定したガイドを用意して、棚板や木工小物の加工に役立ててくださいね♪